人々の健康増進のために
エピジェネティクスとは、ゲノム配列の変化を伴わない DNA 修飾によって、環境が遺伝子発現にどのような影響を及ぼすかを調べる研究分野です。一方、メチル化やアセチル化などの化学修飾は、クロマチンの折りたたみ、ヒストンの結合、エフェクターの活性、プロモーターの効力などいくつかの要素に影響を与えます。エピゲノムの変化は健康への悪影響につながり、がんやその他の複雑な疾患の潜在的なリスク因子として知られています。病気に関するエピジェネティックな特徴に新たな要素を特定し、既知のエピジェネティックマーカーをスクリーニングすることは、人々の健康増進に不可欠です。
メチル化シーケンスのための Twist の革新的なソリューションの詳細について、電子書籍「がん検出におけるメチル化シーケンス」をお読みください。
Twist Bioscience はエピジェネティックス解析をサポート

メチル化シーケンスワークフローにおける酵素変換のメリット
ほとんどの方法では、非メチル化シトシンの検出のために DNA のバイサルファイト変換に依存していますが、バイサルファイト処理には高温と厳しい pH 条件が必要で、 DNA に損傷を与える可能性があります。サンプル数が少ない場合や脆弱なサンプルの場合は特に困難となります。
Twist NGSメチル化検出システムでは、酵素変換法を用いることで、 DNA 分子に損傷を与えずに、 DNA のより多くの領域について均一なゲノムカバレッジが実現します。この方法により、メチル化シトシンを最大 15% 多く検出することができるため、エピジェネティクス研究のためのメチル化塩基のコールの信頼性を高めることができます。

cfDNA のターゲットエピゲノムシーケンスにより、早期がん検出の感度が向上
ケンブリッジ大学の Gahee Park 博士が、DNAメチル化の変化がいかに堅牢ながん特異的マーカーであるか、博士のチームがどのようにして Twist NGSメチル化検出システムを用いて実験コストを4分の1に抑えつつエンリッチメントの精度を3倍向上させたかについて語っています。

超並列レポーターアッセイにより遺伝子発現に重要な遺伝的要素を解明する
遺伝子発現を変化させる要素をエピジェネティクス的手法で深く理解しなければ、膨大な遺伝子データの中から臨床に役立つ情報を発見することは困難です。
研究者たちは超並列レポーターアッセイ(MPRA)を利用して、ハイスループットで調節因子を解析しています。

MPRA を支える Twist の長鎖オリゴ
当社のシリコンプラットフォームにより、最大 300 塩基対の長さのオリゴから成る、大規模で正確かつ均一性の高い MPRA ライブラリを迅速に構築することが可能です。
これらのライブラリには、以下の通り、多くの利点があります。
- 正確なオリゴヌクレオチド合成により、結果の信頼性が確保され、設計した DNA 配列が試験配列であることを確信できます。
- 高い均一性により、要素の過不足によるバイアスが取り除かれ、スクリーニングの負担が軽減されます。
- 長鎖オリゴヌクレオチドライブラリを利用できることから、目的の配列を犠牲にすることなく分子バーコードを付加することができます。
- 長鎖オリゴヌクレオチドはまた、天然の遺伝子的要素がより多くコードされていることを意味し、生物学的により正確な解析を可能とします。

エピジェネティクス解析:早期がん検出に有望なツール
DNAメチル化は遺伝子発現に影響を与え得るエピジェネティックな修飾であり、特定の異常なメチル化パターンはがんと相関することが示されています。多くの研究者が単一の血液サンプルから複数のがんを特定する検査法の開発に取り組んでいますが、それらは依然として複雑なものです。Twist のターゲットメチル化検出システムは、そうした難題の解決に役立ちます。膨大な数のオリゴヌクレオチドプローブを迅速に生成する Twist 独自の技術力により、低濃度 DNA に対する高い感度を維持しながら、デコンボリューションを簡素化し、バイアスを低減することが可能となります。